智惠子の視点
2019.06.29

かつお節問屋「有限会社タイコウ」

渡邊のセレクトです。

今回は、東京都・晴海にあるかつお節問屋のタイコウさん。
タイコウ社長稲葉泰三さんから、稲葉さんのこと、かつお節問屋のこと、かつお節のストーリーをおしえていただきました。

渡邊の今回のSERECTへの想い
タイコウ稲葉さんの扱っているカツオはどれくらい張りがあるんだろう?って、思っていました。
案の定、大海を思いのまま泳いでいる健康なカツオを、ストレスなく一本釣り。美しい姿のままに鰹節にしていく美意識は、日本一美味しいと言われる所以ではないかしら。
もう30年も前に大枚をはたいて買った鰹節削り器、長い事棚の奥にしまってありましたが、ようやく活躍の場ができ喜んでいます。ちなみに、稲葉さんはいつも元気!形が良くてピカピカ張りのある頭は最高で、一度は触ってみたくなるほどです!

******************************************
タイコウ稲葉さんの声:

43年前、父の店で働き始めました。
目利きである父の仕事を覚える事に時間が掛かりました。(父は三大目利きの一人でした)
20年くらいでようやくかつお節が少し見えるようになり、今も修行中です。
※かつお節が見える;目利きができる

昔はかつお節生産者自身が価格を付ける事が出来なかった業界に疑問を持ち始め、
父の後をついでから、生産者自身に価格を付けられるよう改革をおこし、生産者が儲かる価格で仕入れられるように。生産者とどうすれば美味しいかつお節が出来るかの、試行錯誤を繰り返し、とにかく美味しいかつお節を販売したかった。

30年ほど前(1990年代)から巻き網漁のカツオが出回り、何度か製造して頂き販売をしましたが、一本釣り漁のカツオに比べ格段に味が悪く、巻き網漁のカツオでは、かつお節にしない事を決めました。
一部の生産者が離れ、巻き網漁のカツオでは仕事がしたくない(生切り;魚を切る仕事)生産者しか残りませんでした。

※一本釣りのかつお(表面に傷が少なく、とてもキレイ)


※巻き網漁のかつお
(網の中で暴れるため、かつおの表面が傷ついている。)

従来の商売方法(父の時代)では、殆ど利益が出なかったので加工を(削り節加工)創めました。
削り節加工を始めましたが、業界ではありえない原材料(本枯節)と加工方法で製品作りを創めました。原材料は、姿売りに耐えられない本枯節を使用しました。本枯節は仕入値が高いですが、特選別し上物だけを販売する事にすれば、「極上」としての品質が保てることが出来ます。

▼なぜ“巻き網漁”のかつおを使いたくないのか
かつお節の美味しさは、イノシン酸という旨味成分があるからです。
この イノシン酸 はカツオが生の時にはありません。
生きている時にカツオの体内にある「ATP」が、死亡後にイノシン酸に変化します。
「ATP」は、アデノシン三リン酸の略。
僕も難しい事は解りませんが、いわゆる 「エネルギー物質」だそうです。

一本釣り漁で釣られたカツオには「ATP」が多く残りかつお節にするには最適です。
巻き網漁は、網の中のカツオが激しく暴れる為にイノシン酸に生まれ変わる「ATP」が消費されてしまう為に、旨味が少ないかつお節になります。特に大きな網で巻かれた巻き網漁のカツオ程、旨味が少ない。

現在流通しているの99.9%が巻き網漁。
その出汁取りの使用量が、1 リットルに40g 。
一本釣り漁のかつお節での出汁取りでの使用量は、1リットルに 8~15g で十分です。
巻き網漁ではカツオが苦しむ為に乳酸が多くなり、スッパイ 出汁の原因です。
さらに、かつお節の出汁が、
エグイ、ニガイ、シブイ!!
と、なるのは、かつお節の製造方法が原因です。

かつお節の出汁
「簡単、便利、美味しい」
かったため、長い間(1500年)使われてきたと思っています。

勿論、かつてのかつお節は現在のものとは異なりますが、
それが35年前から巻き網漁のカツオが主流となり
粗悪な製造になってしまった為、
出汁取りをする際には、手荒く扱ってはいけないなど、
出汁取りって『めんどくさい』ものになってしまいました。

******************************************
渡邊の声:

なるほど!!
APTとイノシン酸の関係が重要なのですね。
出汁をとるときに、一本釣りでは約10g、巻き網では40g
4倍の違いがあってすごくわかりやすいね。
すべての生き物はやはりストレスがないことが一番なんだね。
※シカ肉のペットフードをつくっているため、野生動物のことに関心が見えるコメントでした。


※巻き網漁の尾ナシかつお(これもATPが消費された後のかつおで、痛々しい)

有限会社タイコウさんの詳細はこちらをご覧ください。

TAGS: AVANTI食 - FOOD

その他のおすすめ

2019.02.08
2015.03.24